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Bird

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9/10 2018

その羽、拾って終わりにしていませんか?
〜すぐできる鳥の羽の保管方法〜

鳥の羽、美しいですよね。大好きなんですよ

 
一般的に羽と言えば、クジャクやインコ・オウムなどの羽が綺麗で有名ですが、模様の美しさは日本の鳥も負けていませんよ! トップの写真を見てください。これらは日本で見られる野鳥(一部迷鳥含む)の羽で、すべて違う種類のものです。
 
みなさんも、鳥の羽が落ちている所を一度は見つけたことがあると思います。街中で見つかる羽は大部分がカラスやハトなので楽しみは少ないですが、登山中などに素敵な模様が入った羽を見つけると嬉しくなったりしませんか? 私はめちゃくちゃ喜びます。生き物の体毛一つで種類が同定できたり喜べたりできるって凄いことですよね。
 
しかし、そんなふうに喜んで拾ってきた羽をどうやって扱っていいのかわからず、とりあえず図鑑に挟みっぱなしになっているという人も多いと思います。

そこで、今回は私が行っている、基本的な羽の保管方法を紹介します。

◆拾ってきた羽は洗おう!

羽を拾ったらまずは洗いましょう。一見綺麗でも細かなゴミや虫などが付いているものです。
洗い方は、まず洗面器に水を張り、そこにシャンプーと羽を一緒入れて汚れを落とすようにやさしく洗っていきます。泥などがこびりついている場合はお湯で揉み洗いをすると落ちやすいです。汚れが落ちたらしっかりと水ですすぎましょう。

その後、羽を整えながらドライヤーなどで乾かします。この時ドライヤーは強ではなく、弱や送風にすると羽に変な癖が付きません。
 
体羽を多く拾ってしまうと一枚一枚洗うのが結構面倒で飽きてきます。また、乾かす際にドライヤーを使用すると細かい羽が部屋中に飛び散る事があるので、急ぎでないときは紙袋などに入れて自然乾燥がいいと思います。

◆洗った羽を保管しよう!

準備として、まずは拾った時の状況を忘れる前にラベルを用意します。ラベルがあると後々種名を調べる手助けとなり、また学術的な記録としても残せるので必ず書いておきましょう。私はラベルを見ることでその羽を拾った当時の情景を思い出し、懐かしい気持ちに浸っています。
 
ラベルには種名(わかれば)、採集日、採集場所、採集者を記しておきましょう。他には必要に応じて羽の部位や拾った環境なども書いておくと、あとあと便利です。面倒だしラベルは今度でいいやと思っていると、何の羽だったのか忘れますよ! ほんとに!
 
 
①お手軽な保管方法: チャック付きポリ袋にラベルと一緒に入れて保管

私の羽コレクションの9割以上はこの方法です

スペースを取ることなく、かなりお手軽なのでおすすめです。ただし、この袋が増えていくにつれて、必要な羽がどの袋に入っているのかを探す手間が発生します。チャック付きポリ袋は100均などでかなり小さな物からA3サイズまで手に入るので、常に一通り揃えておくと非常に便利ですよ。
 
 
 
②ちょっと大変だけど見栄えが良い保管方法: 同じ種類で、部位ごとに小分け

友人に見せても反応がいいのでイベントなどの展示にもおすすめです

写真のようにポケット付きリフィルに格納していくと見栄えがよく、管理も容易です。この方法だと部位ごとの模様の違いなどをお手軽に見ることができ、必要な部位だけを取り出すことができます。
 
 
 
③結構大変だけど見栄えがとても良い保管方法
 
風切や尾羽がある程度揃っていて、やる気があれば台紙に貼り付けての保管をおすすめします。

必要な道具。ボール紙は案外高いので、安いのを見つけてまとめ買いがおすすめ

台紙は白色や黒色の羽も見やすくなる灰色のボール紙がおすすめです。ボンドは色々試した結果、今のところスコッチの強力瞬間接着剤が一番使いやすいです。
台紙に風切や尾羽を並べて貼り付けていきます。私なりのやり方ですが、
 
1. その種の大きさに合った台紙を用意する。(スズメ大であればA4サイズ、ツグミ大ならA3サイズなど)
2. どこに羽を貼るか鉛筆かシャーペンで目印をつける。今回は1.5㎝間隔で印を付けています。
3. 羽が飛ばないように部屋の窓を閉め、エアコンや扇風機などをオフにし、無風状態にする。できればマスクも付ける。
 
さあ貼っていきましょう!


 
 

台紙に羽を貼り終えた様子

羽を貼り付け終わったら、スキャナーで画像として取り込んでおくと自身のブログやSNSにアップできるので便利ですよ。
今回は24分で完成しました。大きさにかかわらず大体20~30分で完成できます。
完成した台紙はクリアファイルなどでまとめて保管しておくと管理がしやすく、またイベントなどに持ち運ぶのも容易です。
 
また、下記の写真のようにOHPシートなどの透明な台紙を使用して貼り付ける方法もあります。この方法のメリットとして裏面も見ることができるため、表裏で模様が異なる種類の羽におすすめです。
 
透明台紙で瞬間接着剤を使用すると、白く濁った部分が目立ってしまうため、白くならない接着剤かテープを使います。テープはメンディングテープを使用しましょう。セロテープでは、時間の経過とともに黄ばみや剥がれ、べた付きなどが残るためおすすめしません。

テープで留めているだけなので、必要な時はすぐに取り外せる

 
 
④その他、大きな羽
1枚しか持っておらずA3の袋を使うのはもったいない、そもそもA3サイズでは入らないなど、上記の方法では対処しづらい状況の羽もあります。
そんなときの私のやり方は、羽柄に管理番号を書いたラベルを付けて、エクセルなどで管理しています。

羽柄にラベルをつけているところ。ラベルは単語帳を使用し、それをホチキス留めしている

番号の付け方は自身がわかりやすいようで構いませんが、鳥類分類の目(もく)ごとに番号を決め、それぞれの科でも番号を付け、その後に通し番号を付けるのがいいと思います。
★例:チドリ目は「R」、カモメ科は「Q」、そのR-Qグループの羽を拾ったのは4回目であれば「R-Q-4」と書く
 
こうした管理番号をつけておけばエクセルでも整理しやすいため、大きな羽に限らずに全部の種類でやっておくといいでしょう。たとえば今ハト科の羽を何種類持っているのか、一番多く持っているのはどの種類か、などがすぐ検索できて便利になります。ただし、記念にちょっと羽を拾う程度の人であれば面倒なのでおすすめはしません

ポスターケースは95㎝まで伸びるのでほとんどの羽はこれに収まります。100均で購入

長い羽を保管するときは上記のようなポスターケースや空き缶に突っ込んでいます。「どうしても袋に入れて密封したい!」という場合は、ネット上で買える野菜用(ゴボウやネギなど)の細長い袋を使用するのがいいかと思います。
 
 
ここまで何通りか保管方法を紹介しましたが、決まったルールはありません。額縁で飾るもよし、図鑑に貼り付けていくもよし。自身が楽しく鑑賞できるスタイルが一番です。
 
羽が好きになると、芸能人が身に着けている鳥の羽を使用したアクセサリーや、弓道の矢に使われている羽、ダウンジャケットの中身の種類、掃除用具の羽ぼうきや毛ばたき、赤い羽根募金のあの羽、アニメでデフォルメされた天使の翼の羽など、本当に羽という羽すべてが気になってきちゃいますよ。
さあ、みんなで楽しい羽ライフを!!
 
 
◆羽を拾う際の注意点
 
羽は落ちていれば全部拾っていいというものではありません。
国立公園の特別保護地区などは採集が禁止されていますし、海外で拾った場合はワシントン条約(CITES)などのさまざまな規制があります。そのほか、鳥インフルエンザなどの病気の観点からも血などで汚れた羽は避けたるべきです。動物園内に落ちている羽も、ワシントン条約や感染症の観点から持ち出しが規制されています。
落ちている羽は他の生物の餌であり巣材でもあるため、必要な分以上を拾うのは控えましょう。
 
 

 
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Author Profile

新谷 亮太

新谷亮太 1987年 神奈川県生まれ

羽を集め始めて18年ほど、普段の鳥見中でも羽が気になりすぎてどうしても下ばかり見てしまうような人。Twitterの住人で、なるべく積極的に羽の写真を上げるよう努力している。まだまだ所持していない羽が多いので頑張って集めているところ。

図鑑.jp (https://i-zukan.jp/pages/news/column/column/hane/index.html)でも羽コラムを連載していた。

ホームページ:https://birdfeatherssite.wordpress.com/

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